貸し借り

人から漫画を借りるのが好きだ。

 

 

普段誰かの家の本棚とかテーブルの上とかベッドの下とかコップの下敷きとかにされてて、私と全く違う空間に居る物体が、なぜか私の部屋にあるのが、たまらない。

 

 

 

私の部屋でその本が、明らかに浮いているのが、良い。

 

 

 

 

 

本棚にいれるわけにもいかないから、椅子とか

衣装ケースの上とか、いつもなら何もないところに置いておくから、めちゃくちゃ部屋全体に違和感が淀むのが、良い。

 

 

 

 

 

 

読んでるときも、読みながら「これ実は私の本じゃないんだよな〜」「この漫画って普段私じゃない人に触られて読まれてるんだよな〜」って考えるのが非常に楽しい。ポップ。

 

 

 

 

 

 

 

 

感覚的に、美術館に似ている。

 

 

 

 

美術館も、目の前の絵を見ながら「これ、500年以上前の空間にあって、500年以上前に生きてた人が触って描いてて、500年以上前の空気を吸い込んでるのに、今私の目の前にあるの、、、、

 

すご!!!😆😆😆😆😆😆😆」

 

 

 

っていう、美術館の醍醐味なあの感じと同じ。あれをお手軽に体感できるのが、他人から漫画を借りるという行為。

 

 

 

 

 

 

あとは、逆に私の所有物の漫画を他人に貸すのも、ほんとに最高。

 

 

夜とか、あれ、もしかして今あの本他人の家で他人に読まれてるかも、普段私の部屋では2段目のハッピーマニアの横に並んでるけど、今日はよそ者として机の上とかに置かれてるのかも、とか想像するの、一生できる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほんとにたのしい!

 

 

 

 

 

 

 

でも、馴染んでしまったら楽しくない。だから、絶対1週間で返す。10日過ぎると、仕方なくテーブルの上に置いたはずなのにもはやその他人の本の定位置になってしまって全くつまらないので、馴染まないうちに返却する。

 

 

 

 

 

 

絵が欲しいと思ったことがないのもそれが理由かもしれない。1000年前の絵でさえ、私の部屋に10日以上飾られたら、それはもう1000年以上前の絵ではなく、10日以上私の部屋の壁に掛けてある絵になってしまうのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

でもルノワールの絵はほしいなー